2014年12月4日木曜日

当たり前のこと

昨日は、舞台監督:山崎さんとお会いしました。

私の音大の授業内で、講義をしていただいのです。

『ステージとは』ということで
様々な貴重なお話を戴きましたが


とても印象に残ったお話があります。

ステージ人なら「当たり前のこと」というテーマでお話くださった部分です。

それは
「ステージには危険がいっぱい」ということ。

音響や照明の、たくさんのライン、
簡易なスピーカーを使用せねばならない状況では
スピーカーが倒れたり。

はたまたステージでは照明が落ちてきたり。

出演者の不注意で、ステージ脇の狭い階段から落ちたり。

ステージが暗かったり、狭かったり、
本当にたくさんの現場があります。

実際に経験された(しかも、何千本の大小のコンサートを手がけてきた監督!)
山崎さんのお話は、やはり説得力があります。

学生さんは「うんうん」と真剣に聞いておりました。

確かに、、、山崎さんはいつも
出演者がいかに安全に不安なく、気持ちよくステージに上がれるか、
とても気遣いをしてくださいます。

それは、たとえば、共演者がアマチュアの場合も
「差別することなく」きちんと気遣いをしてくださる。

また、山崎さんは、
コンサート運営として細かく時間配分を取るのは(タイムスケジュール)、
それぞれの管轄(照明、音響、マネジャー、事務局)が、
仕事をしやすくするための「配慮」であることだと。


タイムスケジュールを適当にするようでは
ステージ人は失格ですと。


そして最も重要な事はと、山崎さんがおっしゃるのは
「人ときちんとコミュニケーションが取れない人は
この仕事、向いていません。たくさんの人が関わっていて、
その裏方にまで心配りをしつつ、時間配分のトラブルや
突発的事項には、苦言も呈さねばならない場合もある。

そんなとき、恨み節のようなことを言い出すスタッフは、
使い物にならない。

しかも、コンサートやライブの場合『商品』となるのは、『人間』です。

つまり、出演者さまがいかに気持ちよくステージに上がっていただけるか。

それを主催側、制作側、運営側が心して考えていないと、
コンサートやライブのような「生もの」は崩壊するでしょうと。

それには、「ありがとう」「ごめんなさい」が言える人、
言い訳をしない人(スタッフ側として)、
何でも人のせいにしないひと、
という内容でした。

本当に様々な具体例で説明くださるので
いつか学生が自分たちでライブを運営するとき、
とても参考になったのではないかと思いました。


今までも、私自身も36年、この業界でお仕事をさせていただいていますが、
これがプロの仕事であり、当たり前のことですよと
山崎さんだけでなく、皆様がおっしゃるんですよね。

本当にそうですよね。

そのアーティスト、自分が管轄するものに

愛情を持つ。
持てないなら、関わらなければいい、というよりも、

どんなコンサートでも、ライブでも

そこに関われること自体に「感謝の意」を持てないなら

このイベントの仕事、舞台監督の仕事、ステージの仕事、

事務局の仕事には「向いていない」とおっしゃいます。

人には向き不向きがありますからね。


出演者の格を差別をして、吟味をするような慇懃無礼なイベンターや

スタッフは、向いていないのだそうです。

そのうえ、そういうスタッフに限って
山崎さんがおっしゃる「当たり前のこと」が出来ていなくて
しごく「当たり前」の「質問」をすると

それが即、「アーティストのわがまま」と取り、
大騒ぎになる現場があるんですって!

そんな現場、不幸ですよねぇと
しごく同情。

しかも、これ、自分のことではなく
「共演者様への当たり前の配慮=つまり、
自分と一緒にステージに上がる人への
尊敬と、配慮と気遣いの為に必要なこと」についての「質問」なのに、
質問したら逆切れされたというのです。

それも解らないならステージに関わる資格無し!と、
業界の誰に聞いても『それ、あり得ない!』
ということで、

私もこういったお話をきくたび、

それは酷いねぇと、
ステージのプロの皆様方と
「そんなの、あり得ないなぁ」と、毎回、このお話になります。



私も以前の仕事で、
「舞台のプロ」なのに、リハーサルや現場の時間配分と
楽屋周りがデタラメなチームが

長い業界生活で、たった一度ありました。

この「たった一度」というのが凄過ぎます。
本当に、たったの一度のことがもの凄く印象に残っちゃった。嗚呼!

だってプロにあるまじきなんですもの。


だから出演者が(アマチュアの出演者さまだったら、なおのこと!)
リハーサルで慌てないように、
出演の前に、充分にリラックスいただくこと、
など、
山崎さんは、その「当たり前のこと」を
自然になさっていて、

これはもう心と体に刻み込まれている、
プロの仕事人ゆえなのでしょうというと

「職業ではなく『人間として当たり前のこと』ですよ、
ミサさん」と。

かっこいいなぁー!!!

楽屋のセキュリティがちゃんとしていないと
事故があったとき、主催者さまの責任になってしまうので
むしろ、それを回避するために、出演者が気を使ってしまうことだったり

様々なお話がありました!

この前、別のアーティストさんの話しを聞きましたが、
やはり、「『イベンターやスタッフに向いていないスタッフ』に
当たってしまったそうで、事務所やマネジャー共々、エラい目にあってしまったそうです。。。。。。

とても気の毒で、心痛みます。。。。。

M・Y・Kさま、
どうかお心痛めず、頑張っていきましょう。

皆、あなたの味方。

どうしてかというと、
「当たり前のことが、当たり前にならないこと自体があり得ないと、
本当に業界の皆様がM・Y・Kさんに共感しているからです。